カクテル cocktail

 

ぼんやり 眺めてる 

 

出てゆく 店のドア 

 

 

笑うしかない こんな夜  

 

聴かせたはずの 

 

あの歌を 歌いだす

 

 

いつもの テーブルに 

 

ぽつん と運ばれた

 

 

頼んだままの ロゼ色が

 

やけに強がる 君のよう 

 

 

泡だけが 演じてる 今しがた

 

無邪気に 戯けながら 居た君を

 

 

たとえば どの言葉 

 

たとえば どの仕草

 

 

わかるはずない 糸口を 

 

いつのまにか 探ってる

 

 

誰もが そんな日を 

 

重ねてゆく ものさ

 

 

懐かしいねと 笑い合う時が 

 

来るさと 言うけれど

  

 

いま この時間(とき)を 

 

噛み締める 僕と

 

遠い日や まだ来ぬ日 

 

見てる 君

 

 

すれ違う 指先が 

 

ゆくあてを

 

なくしたように 紡ぐ 

 

この メロディ

 

 

わかりあえなくて いい

 

ただ そばにいてよ