寺社縁起☆伝説民話

色づく 山肌は  わらわの 晴れ衣裳  紅に 織りあげて  身に まとう 美空に 映えるだろう  踊って みせようか 一本足の わらわは  美しい… 里では ふた足の輩が  稲を 刈る 遠くから  この姿を 見るがいい わらわは 山姫じゃ  この山の 女神じゃ ふた足の おまえたちは     近づくな… 山姫さまに  逢いたいな  ひとめ だけでも ...

鬼婆は  なんでも 知っている おまえさまの 心も  お見通し 遠い 遠い  山の奥に いても 遥か 遥か  昔に 忘れさられても 鬼婆の あの唄  せまる 夜 見え 隠れる  間も なく  すぐ 後ろ 泣ぐ わらしゃあ  いねえが  喰ってまうぞ おくやまの ささはらまで  聴こえてきたぞ いつまで  泣いた とて  叫んだ とて やさしかった  おっかあ ...

恐い 恐い 恐いぃ…  鬼は ぶっちゃけ  コワイじゃろー だけども  このまま 日照り  続いたら 村も みんなも  お陀仏じゃあ~ ヘタに 近寄りゃ  喰われそう  ビビリまくる  ビビリまくる  ビビリまくる_  うあぁ… だけど おいらが  行くしかねえ  行くしかねえぇ 鬼が 住んでる  あの 恐山へ  行くしかねえー 鬼が 持ってる ...

 ゆうぐれ空 わたる   なまめく風に のり    ゆらり ゆらゆら   あらわれた  ぎりしあの 神話から   東雲の 國まで  まばたき ひとつで   とび超えて  茜色の 空に   透ける 羽衣  ふと 見上げた空に   技芸天女(かのじょ)を  見かけたら  ひらり ひらひら   舞いながら  ずっと 描いていた   あなたの ...

夏に降る 雪の精霊  あらがひの 社に  降り注ぎ  白く清め 積もる  鎮まれ…と まだ 名もない  赤子の ひとみには  雪の ような  無垢が ひろがり 自他も ない  われも ない 名づけられて  己を 知るころは  色とりどり 光わかれて 君を 知る  われを 知る 誰のものでも ない  この 社で  どこの 誰かも  知らない 同士で ...

※最下部に、初演時の解説を貼っています※

夜のさいはて 迷いみち  里の辻堂 たどりつく 風は おさまり 夜は更ける  あすの行方は 遠ざかる… 西へ東へ ゆこうとも  みしらぬひとの 痛みなど かわし続けて この先も  行方知れずに なる日まで 鬼も喰わぬ 何も成さぬ  この世旅 ああ… 地獄の釜が ひらく夜  魔物が ユメに見せつける 己と外(ほか)の 箍(たが)外れ ...
むじなの おやびんさん  二ツ岩の 大明神 穴ぐらは 大豪邸  村人たちを もてなした 金に困った人 あらば  誰かに化けて 働いた ちゃっかりもんが タマにキズ  ゆるゆるポン!と  すりぬける あなたも おいでなさい  しあわせ 大明神  お礼に 建ててね  鳥居の アーチ むじなのおやびんさん  人化かしの天才だ 木の葉一枚 あればよし ...
黄泉比良坂  わかれみち  ここで さよなら  イザナギよ 共に 産みし 国の 行方を   あなたに 委ねて  帰ります 黄泉の国 まで  逢いに 来た  やさしき人の  夢の国 五穀豊穣を  祈ります  未来永劫に  幸あれと 黄泉比良坂  わかれみち  ここでさよなら  イザナミよ この手で 隔てた  岩の陰  去りゆくあなた  見送ります 黄泉の国から ...

※最下部に、初演時の解説を貼っています※