人形☆マリーの物語

ある朝 ある街の  にぎわう 広場に わたしは 立っていた  いつのまにか 見知らぬ 異国の地  太陽の 情熱と 月の 妖しさが  交じりあう国 ふたつの神々が 渦巻く  歴史の なかで 生まれたコンパスが  そこかしこ ベールを 脱ぎ捨てて  仮面(前世)を はぎとって 裸足で 踊ります  恋のジレンマ 恋なんて 憎らしい  止まらない振り子 繰り返し...

 老いた 手で  鍵を あけ  また     迷い込んでいる  遠い 近い  めまい めぐる  さだまらない 現在と  リアルな あの日  捜し続けている 「あたしは 何処に…?」  深く 閉じ込めた   紅い 薔薇  きっと   朽ちはてて  アトカタも  ないでしょう  ラララ…

                         かげろうを 追いかけて  あの角を 曲がったら                           あの日の わたしが  ひざを 抱えて   あの日の わたしが  ひざを 抱えて  待ってたの                          遠い日の 忘れもの  蒼い眼の お人形...

Ave Maria  永遠を 捧げよう Ave Maria  いとおしい 母のために 記憶は ユメみる  還らぬ 乳房を 行方ない 涙は  しじまに 埋もれて                           Ave Maria  永遠の 祈りを Ave Maria  還らぬ 母によせて 言葉は 消え去る  想いは とどまる 寄る辺ない 恋しさ ...
                      ゆらいでは 開く  黄泉の ドア   深い霧は うすれ                           どこから 来たの?  眞白な ドレスの  幼い あなた いたずらに  消えては 浮かんで  深い 森の奥へ はぐれたママを  探していたの? 今日も ひとりで いつか 見ていた ...

                           目の前の 現実が                            心を 蝕んでゆく 音がする                            粉々と 砕け散る その前に                            身体ごと 封じ込めて  奇跡のように ...
絵空事 ちりばめた  街並は 遠ざかり 西の森の 奥深く  その館が 見えてくる 今宵 また 連れられて  幽閉の ドアが開く 静寂を ひき裂いた  鳥たちの 羽ばたきは 声のない 饒舌が  語りだす 信実を 告げるため  創造の源 へと  急いでる 捨てられた ものたちの  やすらかに 眠るさま 癒されよ この館で  戒めは 果たされよう...

罪な こと  思い あぐねては  扉の 向こう   いいえ 決して  開けては いけない  天使が 囁く 憂鬱な 曇り空  灰色の 世界に  ひとりきり でも? 紅の 薔薇を  あの 空へ  一輪 投げた いいえ 全部  捨てて おしまいと  悪魔が 囁く あの娘が  そう アナタと 引き換えに もらった  窓際の 薔薇 あれから 悪夢のよう ...

鐘の音 が響く  同じ街 にいると 教えて くれるけど  もう 帰れないの 駅の前の  ショーウィンドウ  アンティークの  お店で 表通り みてた  朝も 昼も 夜も やさしい 店主の おじいさん いつも  きれいに してくれた いまは  埃だらけなの  あの娘の  部屋の 隅で 今日も  陽が 翳ると  鐘の音が 響く 同じ街 にいても  もう 帰れないの

窓をみつめ 泣いてる  かわいい マリー この部屋に いたころは  あふれるくらい 愛されて 替わるがわる 着飾る  シルクのドレス 虹色を 放つような  まぶしい笑顔 みせたのに あの娘は そう 気まぐれ  ひと月だけで 君のことを 忘れて  別の なにかに 夢中 駅の前の ショーウィンドー  アンティークの お店で 外を 眺めていたころが ...