当麻 taema

 

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あれこそ

の糸を 染め 

掛けて 乾されし

桜木の

花も 心のある故に

蓮(はちす)の色に

咲くともいへり

 

   …(謡曲より引用)

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蓮の糸  五色に染め 

織り上げた 一夜のゆめ

 

浮き世を 鎮めて  

開く花 のように  

 

すべてを 赦して 

身を あずけている

 

もしも 

あの日 はてたら 

 

ずっと 祈り捧げた 

母の もとへと

 

絶え間(当麻)ない 

光の 群れ 

 

西方へ 

その身の まま 

 

浮き世の 運命を  

嘆くことも ない

 

幼き  そなたの 

透き通る 御魂よ

 

 

 

 



<曲の解説>

 幽玄世界のにじり口の初演(2017.12.22)にて

 お配りしたパンプレットの文章を、そのまま

 転載します。

 

 

幽玄世界のにじり口     2017.12.22.

 

本日は、ご来場いただき誠にありがとうございます!

今宵お届けする曲は、お能の演目を題材に創作させて

いただいた、十四篇の梅吉曲でございます。

 

お能について正式な知識もない梅吉の、個人的な感性

のみで、自由気儘に創らせていただいている楽曲であ

りますことをご了承のうえ、十四篇の世界をご堪能頂

けましたなら、幸いでございますm(_ _)m     

 

<当麻(大和·當麻寺)>

凄まじい継母虐めに耐えながら、亡き実母への供養も

怠らず、一夜にして当麻曼荼羅を織り上げたという、

身も心も清らかで美しい中将姫の伝説。

16歳で、淳仁天皇より後宮に入るよう望まれますが、

辞し、二上山麓の当麻寺で尼となり「法如」と戒名。

29歳の時、阿弥陀如来をはじめとする二十五菩薩が

来迎され、生きたまま、西方極楽浄土へ向かったと

伝えられています。(伝説と能の演目では違いあり)

 

 

 あれこそ蓮の糸を染め 掛けて乾されし桜木の

    花も心のある故に 蓮の色に咲くともいへり