針の孔 hari no ana

 

束の間 

現世に 降り立ち 

借り 染め 

とき 暮らす

 

重ねた 日々は 

いま どれくらいか

 

ふりだし 

ひとめぐり 

舞い戻る

 

先ゆく ひとの 

導が あるという

誰がため なぞる 

惑わぬ日が 欲しいのか

 

 

道なき道 

さすらえば 

何処にも 行き着かぬと

諭されたとて 

 

背けないものは

内なる泉の 

湧く未知(道)

 

あくなき 惑い 

地平に 棄ててこい

共に ゆくなら 

永久を 与う 

というが…

 

 

ひとり 

この世に 降り立ち 

そして ひとりで往く

 

避けられぬなら 

廻り合う ひとよ

一瞬に 永遠を 

交わしなむ

 

愛しきひとを 

恋ひ慕う この身を

抱え 眠らば 

今宵 

ゆめで 逢えるか

 

 

憧れは 

遠き彼方 

先 また先 

なれど

 

仮装に 宿る 

おおいなるものを 

見つけた あなたは 

旅支度

 

野花に 紛れ 

近づいてみたとて

 

目覚めた 朝に 

同じ煩悩(おのれ)をみる

 

 

針の孔ほど 

光が あればいい

 

広がる空を 

ユメに 描けばいい

 

 

針の孔ほど 

希望が あるならば

 

道なき道を 

惑いながら 

ひとりゆく