愛をひとかけら

飾りたてた 神殿が
淋しげに 
下界を 見下ろす
過去も 未来も 風化した
ここに あるものは 
現在(いま) このとき
 
約束しない 
確かめもしない
やさしい 風のように
お互いの そばを 
吹き抜けて
 
その 通り道を 
いつも 空けておけば
そこには 本当の愛が 
いつのまにか
住みついて
くれるんだろう
 
奪い合えば 苦しみが
限りなく 心に押し寄せ
 
与え合えば 
なにげない しあわせが 
すべてを 包むのに
 
傷つけあう 火種が 
なくならないのは
新しい 息吹が 
その先に 待つからか
 
わからない
 
それでも…
 
幾千の 生命 
幾千の 歴史が
語りかけてくるよ
 
愛を ひとかけら
いつの日も 
どんなときも
 
愛を ひとかけら
あなた にも 
この地球(ほし)にも
 
いま ここに 愛を
 
愛を ひとかけら