灯(あかし)

                         

 

今宵 浮かぶ 三日月から 

 

届けられる 水の音色

                         

 

ゆめでみてた色を 落とし 

 

漂うように 揺れて 光る

                         

 

 

語ることを やめた身体 

 

戯れさえ 囲いのなか

                         

 

夜が明けたら ときの彼方 

 

旅立ちという 絹をまとって

 

 

 

霧が晴れた 先の世界 

 

そこに いつか たどり着いたら

 

 

もう なにもかもが 消え去り

 

ただ 無の ひろがりに 

 

とけてゆく というのか

 

 

風がはこぶ 大地の声 

 

永いときを 包むように

 

 

かつての日が 群れをなして 

 

灯(あかし)のように 揺れて光る

 

 

 

月が 沈む 西の彼方へ

 

そう いつか 

 

ともに この身を 連れてゆけ

 

 

すべて 捨て去り

 

ただ 無の ひろがりに 

 

とけてゆくから…