四月の朝に帆をあげて

 

霧の 薄れた 

四月の 朝が 

 

オレンジに 染まる

 

 

何かが 変わる 

胸の さわぎに 

 

扉を 開けて

 

 

誰も いない 

この朝に 抱かれよう

 

 

鏡の中に 

映し出されて 

 

砕け散ったものは

 

誰かの ために 

選び 続けた 

 

まがいの 指標

 

 

降りつもった 

まやかしも 

風に 消えた 

 

 

言葉は 嘘を 

心は 理由を 

 

探り 続けた

 

 

時の 狭間を 

漂う だけの 

 

小舟の ように

 

 

そして 今 

 

帆を あげる 

 

海原へと

 

出てゆこう

 

 

気づけば 春も 

 

短い 夏も 

 

遠い 出来事で

 

 

 

過ぎ去る 秋が 

 

冬を 呼んでた 

 

何くわぬ顔で

 

 

繰り返し 

 

また春が 訪れた 

 

奇跡

 

 

朝焼けに 

 

照らされて 

 

海原へと 

 

出てゆこう 

 

出てゆこう