揺り椅子 rocking chair

 

いつもの 冷たい朝

(今は いない)

 

凍らせていた 匂いが

(貴女に よせ)

 

前ぶれも なく 

突然 溶けだす

 

 

今も 変わらない部屋

(こぼれ落ちた)

 

揺り椅子に もたれながら

(想い出など…)

 

煙草 くゆらせて

いるのでしょう

 

 

時の 流れに 

ぼやけだす 絵は

 

癒えない なにかを 

告げるから…

 

 

蒼い 季節は 

おろかすぎた                 

 

深くて 

見えない ものに

気づきも せず 

 

通りすぎる

 

 

胸を つらぬくように

(僕は ひとり)

 

時計が止まったように

(いつもの部屋)

 

唐突に いま 

気づいてしまった

 

いつも ずっと 貴方が

(あるがままに)

 

わたしの 

揺り椅子 だった

(時を過ごし…)

 

 

そこに いるだけで 

よかった

 

そこに いるだけで 

よかった