愛しいマリー for Mary

 

窓をみつめ 泣いてる 

かわいい マリー

 

この部屋に いたころは 

あふれるくらい 愛されて

 

替わるがわる 着飾る 

シルクのドレス

 

虹色を 放つような 

まぶしい笑顔 みせたのに

 

あの娘は そう 気まぐれ 

ひと月だけで

 

君のことを 忘れて 

別の なにかに 夢中

 

駅の前の ショーウィンドー 

アンティークの お店で

 

外を 眺めていたころが 

一番 よかったよね

 

 

通りかかるひとたち 

立ち止まっては 

 

声を かけてくれたね 

愛を 注いでくれたよね

 

 

君をみつけ あの娘は 

ダディにせがみ

 

突然に 連れ去った 

サインひとつで 簡単に

 

 

 

僕の声が 聴こえる? 

おもちゃの箱に

 

入れられたまま いつも 

君だけみてた 一日中

 

その ブロンドの巻き毛 

おおきな瞳

 

とても とても 愛しい

埃まみれじゃ かわいそう 

 

僕の背中の プロペラを 

動かすこと できれば

 

僕は君を 連れ出すのさ 

窓の外の 自由へ

 

あのお店で ドレスを 

新調しよう

 

そして 紅い口紅 

きっと 似合うね

マイ エンジェル マリー

 

午後に 強く射し込む 

西陽のせいで

 

ドレスも 色褪せてく 

君の笑顔と一緒に