楊貴妃 〜比翼連理の誓い〜 yokihi

 

 

霞のなか 見え隠れて 

 

まぼろしかと 目をこらし

 

 

まこと だろうか 

 

常世の 國 

 

あの世 なのさ 

 

蓬莱宮…

 

 

 

陽気な 楊貴妃さんが 

 

住んでいる 世界は 

 

蓬莱宮 天上界

 

 

それは それは

 

ステキな 常世の國 

 

人間界 から 

 

戻ったばかり

 

 

 

そこへ たずねてきた 

 

皇帝の 使い 

 

 

愛した 妃 

 

忘れられない がゆえ

 

 

陽気な 楊貴妃さんも 

 

同じこと

 

 

悲しみに 沈む

 

こころは ひとつ

 

 

 

 

もとより 天上界から

 

生まれ落ち 

 

 

ふたりは 恋に落ち 

 

契り合いました

 

 

き 悲しむ  

 

あの方 のために 

 

玉の かんざし 

 

渡して ください 

 

 

証は ふたりだけが 

 

知る 言葉  

 

七夕の夜(よ)を 胸に 

 

舞いましょう

 

 

 

比翼連理は 色褪せぬ 

 

時空を 超えて 

 

誓い 続けましょう

 

 

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天に 在らば 

願はくは 

比翼の鳥 とならむ

 

地に 在らば 

願はくは 

連理の枝 とならん

 …(長恨歌より引用)

 

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<曲の解説>

 幽玄世界のにじり口の初演(2017.12.22)にて

 お配りしたパンプレットの文章を、そのまま

 転載します。

 

 

幽玄世界のにじり口     2017.12.22.

 

本日は、ご来場いただき誠にありがとうございます!

今宵お届けする曲は、お能の演目を題材に創作させて

いただいた、十四篇の梅吉曲でございます。

 

お能について正式な知識もない梅吉の、個人的な感性

のみで、自由気儘に創らせていただいている楽曲であ

りますことをご了承のうえ、十四篇の世界をご堪能頂

けましたなら、幸いでございますm(_ _)m     

 

 

<楊貴妃-比翼連理の誓い-(常世の國·蓬莱宮)>

亡くなった楊貴妃を忘れられない唐の玄宗皇帝は、

神仙術が使える方士に、楊貴妃の霊魂の在処を訪ねる

よう命じます。ようやく、常世の國の蓬莱宮で太真殿

に住む玉妃がその人らしいと聞き面会します。

玄宗の悲嘆の様子を知った楊貴妃は、同じ思いに涙し、

面会した証拠にと玉のかんざしを渡して、七夕の夜に

二人で誓い合った愛の言葉を打ち明けながら、羽衣の

曲を舞ってみせ、昔を懐かしみ、もとは天上界の仙女

だったことや未来での再会を伝言し、帰ってゆく方士

を涙で見送りました(比翼連理は夫婦仲睦まじい例え)

 

比翼連理:

 天に在らば願はくは比翼の鳥とならむ

 地にあらば願はくは連理の枝とならむ